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「研修」の定義

人事労務
01 /27 2018
 友人とのランチの予約のため、都内のとあるお店のHPを見ていたところ、「当店では、体験・研修制度を設けました。時給900円!」と書いてあるのを見つけました。平成29年10月からの東京都の最低賃金は958円なので、思わず「大丈夫かな…」と思ってしまいました。
 まあ、いわゆるインターンシップのような就業体験であり、
①実習が見学や体験的なものであり、使用者から業務に関する指揮命令を受けているとは解釈されないなど、使用従属関係が認められない場合は労働者に該当しないと考えられる
②しかし、直接生産活動に従事するなど、当該作業による利益・効果がその事業場に帰属し、かつ、事業場との間に使用従属関係が認められる場合には、労働者に該当すると考えられる
…などから解釈して問題がなければ良いのですが。あくまで推測ですが、900円という微妙な金額から多少の手伝い、例えば「皿洗いお願いね」みたいにお店の作業の一部をお願いする状況にはなるのかもしれない。となると、ある程度の労働者性は認められてしまうのでは…と想像力がふくらみます。
 この仕事やっていると、お店やクリニックのHPを見たり、友達の会社の話を聞いたりするときに「おや?もしかしたら違法では…」と思うことはたびたびあります。私は労基署の監督官ではないし、暴露したりもしませんが、労基法の適正運用に向けて社労士がもっと頑張らないといけないかなと思うことは多いです。

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労働時間の端数処理について

人事労務
01 /13 2018
 日々の労働時間は1分単位で計算しなければいけません。これは労働局などのHPなどにも明記されています。企業や団体等の労務監査などでも勤怠管理を適正に行っているかは、よくチェックされるところです。(ただし、1か月の労働時間を通算して、30分未満は切り捨て、30分以上を切り上げて計算することは認められています。)
 とはいえ実際のところは、時間外労働などを15分単位で記録している企業も結構多いのが現状です。今日も個人的な事情で、とあるクリニックのHPを見ていたところ、求人情報に「早出した時など、15分単位で手当を支払います。あまり他院にはないことですよね」…という記載を見つけてしまいました。。ちょっとこれはまずいですね。。しかも堂々とHPに。。
 なお、勤怠管理ソフトウェアでも15分単位で労働時間が集計できる仕様になっているものもありますが、そのまま使って労基法違反にならないよう注意が必要です。


「長時間労働の抑制・過重労働による健康障害防止のための自主点検表」

人事労務
01 /04 2018
 昨年12月下旬に東京労働局が都内の事業所に送付しているようです。
 今回はどのように事業所をデータ抽出したのか労働局に問い合わせたところ、「36協定を提出した事業所」とのことでした。
 つまり、特別条項付き36協定(臨時的に、1ヶ月:45時間、1年:360時間を超えた時間外労働を行うための協定)を締結している事業所とか、月〇時間を超える時間外労働を行っている事業所を抽出したわけではなく、また違法性が感じられた事業所を選択した等の意図はないそうです。
 この「長時間労働の抑制・過重労働による健康障害防止のための自主点検結果報告書」は法的な提出義務はありませんが、放置して対応しないと、労基署で「未提出」の記録が残ります。そうなると、先々労基署の調査が入りやすくなる可能性があるため、きちんと提出した方が無難です。内容的にはさほど難しいものではないですし、書き方がわからないときは社会保険労務士に相談するとよいでしょう。

採用適性検査

人事労務
03 /29 2017
 今日は、採用適性検査ツールを販売している企業の方とお会いしました。このテストは、人材適性やストレス耐性などを把握する検査です。既に就労している従業員に受験していただき、適正配置に利用できますが、採用の段階でリスクのある人材を洗い出すための利用もできます。
 企業の経営者や人事担当者から、従業員を採用し実際に就労していただいた後で、企業の求める人材に合わなかった等の相談を受けることが本当によくあります。ただし日本の労基法では、従業員に退職していただくことは簡単にはできないため、採用時に企業・応募者の双方でお互いをしっかり見極めることが大切になります。そのために、内定前の採用適性検査やバックグラウンドチェック等は、多少手間や費用がかかってもやっておく価値はあると思います。勿論、適性検査だけで判断できるものではないので、あくまで補助的な効果ではありますが。
 今日はその採用適性検査を実際に自分で受けてみました。協調性・順応性・指導力・使命感なども数値で表れるため、どんな結果が出るか結構ドキドキでした。自分は欠点の多い人間ですし、過去に何度か転職してますので、我慢が足りないとか出たらどうしよう…などと思っておりました。が、結論から言うと「非常に良い結果となりました。これだけバランスの良い結果は滅多に出現しないと思っております。」とのコメントを頂ける結果となりました。(念のため、欠点がないというわけではなく、バランスが良いということで、特段優秀でもないということです、笑。)いい結果が出るのは逆に意外だったのですが、年を重ねるごとに穏やかになったり、物事を客観的に見られるようになった自覚はあるので、そのためかなと思います。
 この採用適性検査はさほど高額ではありませんので、採用時にこういったツールを利用するのも良い方法と思います。
 


クラウド型人事情報管理ソフト

人事労務
03 /15 2017
 先日はクラウド型の給与計算ソフトについて書きましたが、今回はクラウド型の人事情報管理ソフトについて書きます。正確には、社会保険・雇用保険手続ソフトであり、手続を自動化できるのがウリのソフトです。が、それよりも私は、人事担当者があらかじめ入社予定の従業員に招待メールを送付することで、本人がインターネット経由で住所などの個人情報を入力できたり、添付書類もつけて送信できたりするところが画期的だと思っています。
 ひと昔前であれば、従業員の情報は紙で提出してもらって、人事担当者がパソコンで入力したりしていたものでした。従業員の人数が多いと、それも人事担当者の手間になります。そこで事務作業を簡略化するための苦肉の策として、エクセル等のフォームに従業員に住所などを入力していただき、それをCSV形式にして業務ソフトに読み込む…等のようなことをアウトソーシング会社で推奨・実践していたりします。なかでは、従業員が自分で入力できる画面を装備した人事情報管理ソフトを、自社で開発するアウトソーシング会社もあったりします。私も過去に、成り行きでソフトウェア開発プロジェクトのメンバーになってしまったことが何度かあります。。
 が今では、ソフトウエア開発にかける費用や労力を要することなく、市販のソフトで直接従業員本人が情報を入力できるようになったところに時代の流れを感じました。感慨深いです。
 クラウド型給与ソフトで必要機能が備わっていないところが一部あったように、人事情報管理ソフトについてもまだまだ開発の必要があるかもしれません。とはいえ、どんどん進化していくソフトウエア事情の今後が楽しみです。

永井知子 / Tomoko Nagai

 特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。青山学院大学大学院 法学研究科修士課程(ビジネスロー)修了。外国人技能実習適正化事業 適正化指導専門家。
 2004年社会保険労務士試験に合格。アウトソーシング会社で10年以上、主に外資系企業の社会・労働保険手続、給与計算、労務管理などを担当。会社員として勤務しながら、雑誌の記事執筆、書籍の出版、セミナー講師などを数多く経験しているが、そのほとんどは会社経由での依頼ではなく、指名での依頼。
 外資系企業・外国人経営者・従業員向けの英語対応、英文雇用契約書・英文就業規則、労務コンサル、人事・評価制度作成、海外赴任規程作成、給料計算、上場を目指す企業の労務監査、確定拠出年金制度の導入サポートなど幅広い業務に対応。
趣味・特技はタロット占い。出張先にもタロットカード持って行きます。