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英語版 扶養控除等(異動)申告書&保険料控除申告書

給与・賞与計算
10 /02 2018
今年も国税庁のHPで「年末調整のしかた」や各種様式が公開されました。

が、それよりすごいなと思ったのが、英語版の扶養控除等(異動)申告書と保険料控除申告書の様式も公開されたことです。(正確には扶養控除等(異動)申告書は少し前から公開されていましたが。)

 今までは公開されていなかったので、例えば外資系企業などでは英語のできる人が会社独自のフォーマットを作っていたりしたものでした。私などは、外国人労働者の多い愛知県のとある税務署に連絡して、郵送してもらったりしておりました。申し訳ないなと思いながら。。
国税庁のHPからダウンロードできるようになって、外国人労働者のいる多くの企業が助かったのではないでしょうか。

・給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
・給与所得者の保険料控除の申告
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五捨六入 雇用保険料・社会保険料の端数処理

給与・賞与計算
04 /12 2017
 マニアックな話かもしれません。給与から控除する雇用保険料の従業員負担額は、総支給額(労働保険の対象外は除く)の3/1,000(平成29年)となっており、計算の結果、1円未満の端数が生じることがあります。従業員負担額を源泉控除する場合、負担額の端数が、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げとなります。 四捨五入ではなく、五捨六入なのが面白いです。

(例1) 総支給額243,088円で、被保険者負担率が3/1,000のとき
243,088円×3/1,000=729円264銭 →端数は50銭以下なので切り捨て
(例2) 総支給額243,950円で、被保険者負担率が3/1,000のとき
243,950円×3/1,000=731円85銭 →端数は50銭1厘以上なので切り上げ
 
ただし、これらの端数処理の取扱いは、労使の間で慣習的な取扱い等の特約がある場合にはこの限りではありません。実際に従業員負担額の計算で、1円未満の端数は一律に切捨てとしている企業も多くあります。社会保険に関しても同様に、従業員負担額の1円未満の端数は五捨六入が多いですが、企業の慣習により1円未満の端数は切捨てとしているところも多くあります。

この点について老舗の給与ソフトではよく承知していて、保険料の端数処理について、切捨てor五捨六入(または四捨五入)のいずれかを選択するようになっています。
そこで最近流行のクラウド型ソフトではどうなのだろう…と調べてみたところ、一部のソフトで「被保険者負担額を源泉控除する場合、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げます。端数処理の計算に迷わないよう、間違えないよう、法令準拠の端数処理方法を自動計算に織り込んでいます。」とありました。つまりデフォルトで五捨六入になっていて、変更できないようです。

まあ確かに設定部分が多すぎると、ユーザにとってわかりづらいし間違いのもとという考え方もよくわかります。ただし、私のようにいろいろな給与計算の例を見てきた立場から言うと、やっぱりそこは企業の実態に合わせて設定できるようにしてほしいのが本音です。とはいえ設定項目が多すぎると、難しくて使いづらいソフトになってしまうのだろうし。私のようなタイプの方が全体から見たら少数派でしょうし、自分の意見が正しいと主張する気はないのですが、少し前に書いた所得税の計算方法などと同様、今後の動向が気になるところです。


年の中途で行う年末調整

給与・賞与計算
03 /12 2017
 クラウド型の給与計算ソフトを購入したことを先日書きましたが、その後、そのソフトでは、年の中途で行う年末調整処理ができないことがわかりました。サポートデスクにも確認したところ、「年度途中での年末調整を行う場合には誠に恐縮ながら対応ができていないので、別途ソフト外での処理を行っていただく必要がございます。」という回答でした。
 念のため補足すると、年末調整は文字通り年末に行うのが通常ですが、例外的に年の途中でも行う場合があります。よくある例では、従業員が海外赴任する場合(出国年調)や、従業員が死亡した場合(死亡年調)などです。https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2665.htm(国税庁HP)
 社会保険労務士やアウトソーシング会社勤務の人など、普段から多くの会社の給与処理を行っていれば、出国年調や死亡年調の処理は珍しくありません。ですので、年度途中の年末調整機能は、給与計算ソフトの標準装備と思っていたため、少々カルチャーショックを受けました。給与計算の知識がない方でも手軽に使えるのが売りのソフトなのに、年末調整は自分で計算してください、では手軽ではないですよね。。計算ミスなどが発生する可能性もあります。残念ながら現時点では、私はこのソフトを使ってお客様から受託した給与計算処理はできないです。
 給与計算ソフトを購入する際に、多くの人はお試し版などを使って、基本入力画面等の使い勝手を確認すると思います。でも、さすがに出国年調・死亡年調まで試す人は少ないでしょうから、この機能が無いのを知らないで購入・導入してしまい、後悔するケースもあるかもしれません。
 とはいえ、作業工数を極力減らしたシンプルな設計というコンセプトを否定するものではありません。サポートデスクから「ご要望として開発担当の部門に共有しまして、今後の開発に向けて検討を進めたいと存じます。」というコメントも頂きましたので、今後改善される可能性はあります。クラウド型、シンプル設計の給与計算ソフトを使うメリットもありますから、今後どんどん進化して、私達社会保険労務士の選択肢が増えることにつながれば、ありがたいです。

 
 

給与計算ソフトの所得税計算方法について

給与・賞与計算
03 /03 2017
 最近話題のクラウド給与計算ソフトを購入しました。誰でも簡単に給与計算ができるというのが売りであるだけに、確かに使いやすいと思います。…が、所得税額を自分で検算してみて気づいたのですが、そのソフトでは月額表のみの対応となっておりました。
 念のため解説すると、月額表は、社会保険料等控除後の給与(課税分)額を段階に分けたもので、これは各段階の中間値を前提とした税額となっています。これに対し、電算機計算の特例では、各段階の中間値ではなく、金額に応じたパーセンテージにより所得税を算出します。算出方法が違うため、同じ給与額でもどちらの方法を取るかによって税額に若干の差異が生じることがありますが、年末調整や確定申告で精算すれば、年税額としては同じになります。
 どちらで計算しても問題は無いですが、個人的には給与ソフトの設定は、ほぼ電算機計算の特例を選択しておりました。理由は、電算機計算の特例はエクセルでも割と簡単に設定できるため、ちょっと複雑な給与計算をするときは、給与計算ソフトの計算結果を、手製のエクセルファイルで検証していたからであります。そういうわけで、月額表のみの所得税計算しかできない給与計算ソフトは、自分にとってとても使いづらく感じました。
 とはいえ、この給与ソフト「誰でも簡単に計算できる」というコンセプトからすると、世間の大部分の人は、所得税の計算方法に私のようなこだわりなどを持っていないでしょうし、必要以上に選択肢があることで、かえってわかりづらく、使いづらいものになってしまうのでしょう。だから、最初から月額表のみとして他の選択肢をつけないのは確かに得策ともいえます。クルマに例えれば、オートマの免許で十分足りるから、わざわざマニュアル車の免許もその説明も必要ない、というような感じでしょうか。(ゴールド免許ですが、実はペーパードライバーなのでクルマのことはあまり語れませんが。。)
 自分にとっては少々カルチャーショックもありましたが、手軽に給与計算ができるというコンセプトは一般ウケしやすいと思いますし、肯定的に解釈したいと思います。

 


海外赴任中の社会保険の標準報酬月額

給与・賞与計算
12 /09 2016
 今日はホテルニューオータニ内の株式会社マイツ会議室で、海外赴任者の給与・社保についての少人数セミナーを行いました。文字通りの少人数だったのですが、税理士の森村先生が同席してくださり、いろいろな事例を教えてくださいましたので、私にとっても貴重なインプットが出来ました。参加者の方々も実務経験が豊富なため、質問のレベルもかなり高度でした。

 それにしても、海外進出関連については、税務に比べて社会保険の対応はかなり遅れています。赴任中の社会保険の標準報酬の決め方についても、赴任者に直接支給される給与額だけではなく、日本の会社と海外の会社で負担する額も考慮するべきなのに、年金事務所から出ているリーフレットにはその点が書かれていない。取り扱いが不明なときは、皆さん年金事務所や健保組合に問い合わせをされると思いますが、論点が整理されていないまま問い合わせても、統一した回答にはならず、結果的に会社ごとにバラバラの取り扱いをしていることが、結構多いと推測されます。どういうやり方が正しいのか法令で明確にされていないため、外資系企業や海外進出企業を担当する社労士は苦労するわけです。
 10年ほど前、外資系企業のオンサイトスタッフとして勤務していた時も、実務上の判断で困ることが多々あり、その度健保組合や年金事務所に問い合わせしまくりましたが、スッキリとした回答は得られませんでした。今は多少は解説本なども出ていますし、年金事務所からリーフレットも出たため、10年前よりは調べやすくなりました。しかし未だ法令が整理されていないため、会社ごとにバラバラの判断をされている部分は解決されていないのが現状です。
 
 そこで思い出したのが、私が大学院に入ろうと思った理由の一つは、海外赴任などに関連する実務上の取り扱いを統一化するべく、法令上の論点について研究することだったわけでした。実際には、目先の課題に追われていて、当初やろうと思っていたことはまだ出来ていないのですが。。今日のセミナーで初心を思い出しました。そういう意味でも貴重な一日でした。




永井知子 / Tomoko Nagai

 特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。青山学院大学大学院 法学研究科修士課程(ビジネスロー)修了。外国人技能実習適正化事業 適正化指導専門家。
 2004年社会保険労務士試験に合格。アウトソーシング会社で10年以上、主に外資系企業の社会・労働保険手続、給与計算、労務管理などを担当。会社員として勤務しながら、雑誌の記事執筆、書籍の出版、セミナー講師などを数多く経験しているが、そのほとんどは会社経由での依頼ではなく、指名での依頼。
 外資系企業・外国人経営者・従業員向けの英語対応、英文雇用契約書・英文就業規則、労務コンサル、人事・評価制度作成、海外赴任規程作成、給料計算、上場を目指す企業の労務監査、確定拠出年金制度の導入サポートなど幅広い業務に対応。
趣味・特技はタロット占い。出張先にもタロットカード持って行きます。