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海外出向・赴任社員の労務管理 労働基準法の適用

セミナー・執筆
04 /15 2017
「バックオフィスの基礎知識」のHPに、海外勤務をしている社員に適用される労働基準法についてのインタビュー記事を掲載していただきました。連載になります。


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五捨六入 雇用保険料・社会保険料の端数処理

給与・賞与計算
04 /12 2017
 マニアックな話かもしれません。給与から控除する雇用保険料の従業員負担額は、総支給額(労働保険の対象外は除く)の3/1,000(平成29年)となっており、計算の結果、1円未満の端数が生じることがあります。従業員負担額を源泉控除する場合、負担額の端数が、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げとなります。 四捨五入ではなく、五捨六入なのが面白いです。

(例1) 総支給額243,088円で、被保険者負担率が3/1,000のとき
243,088円×3/1,000=729円264銭 →端数は50銭以下なので切り捨て
(例2) 総支給額243,950円で、被保険者負担率が3/1,000のとき
243,950円×3/1,000=731円85銭 →端数は50銭1厘以上なので切り上げ
 
ただし、これらの端数処理の取扱いは、労使の間で慣習的な取扱い等の特約がある場合にはこの限りではありません。実際に従業員負担額の計算で、1円未満の端数は一律に切捨てとしている企業も多くあります。社会保険に関しても同様に、従業員負担額の1円未満の端数は五捨六入が多いですが、企業の慣習により1円未満の端数は切捨てとしているところも多くあります。

この点について老舗の給与ソフトではよく承知していて、保険料の端数処理について、切捨てor五捨六入(または四捨五入)のいずれかを選択するようになっています。
そこで最近流行のクラウド型ソフトではどうなのだろう…と調べてみたところ、一部のソフトで「被保険者負担額を源泉控除する場合、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げます。端数処理の計算に迷わないよう、間違えないよう、法令準拠の端数処理方法を自動計算に織り込んでいます。」とありました。つまりデフォルトで五捨六入になっていて、変更できないようです。

まあ確かに設定部分が多すぎると、ユーザにとってわかりづらいし間違いのもとという考え方もよくわかります。ただし、私のようにいろいろな給与計算の例を見てきた立場から言うと、やっぱりそこは企業の実態に合わせて設定できるようにしてほしいのが本音です。とはいえ設定項目が多すぎると、難しくて使いづらいソフトになってしまうのだろうし。私のようなタイプの方が全体から見たら少数派でしょうし、自分の意見が正しいと主張する気はないのですが、少し前に書いた所得税の計算方法などと同様、今後の動向が気になるところです。


海外赴任者向けの医療・損害保険

海外人事
04 /05 2017
 従業員を海外赴任させている企業のほとんどが海外赴任者向けの海外旅行保険の契約をしています。現地の提携病院へ行けばキャッシュレスで受診できるので、手軽で便利です。日本の健康保険制度も使えますが、海外では日本の保険証が使えないため、いったん全額医療費を支払った上で、パスポートのコピーや同意書、翻訳文なども添付して手続します。これなら、民間の海外旅行保険を使った方が楽だなあと思う気持ちもよくわかります。
 ところで保険会社のパンフレットには、海外出張プランや赴任者向けプランなどの料金表が載っていますが、保険料の若干の割引や、オプションを付けてもらうなどのサービスも、交渉次第で可能なことがあります。
 例えば、海外での大きな病気やケガの場合、ベトナムやカンボジアではあまり医療技術が発達していないため、近くの国や日本に移送されることがあります。よって、海外旅行保険のプラン内容に移送費用が入っていることが重要になります。できれば移送費を無制限でカバーできるプランの方が安心でしょう。
 対して、シンガポールやバンコク、香港などでは医療の技術が発達しているので、その国の病院で足りることが多いです。この場合、移送費用が無制限である必要はないので、その分保険料の割引の交渉ができることもあります。
 なお、海外旅行保険に加入後、実際の医療費がさほどかからなかった場合は、翌年の保険料を若干安くしてもらえることもあります。これらの情報は、店頭でパンフレットを見ただけではわからなかったり見落としたりすることもありますから、保険会社の営業担当に相談して見るのも手です。担当者によっては、必要ない部分、必要なオプションなどを吟味して、オーダーメイドのプランの提案をしてくださることもあります。
 
 

生活水準の高い都市ランキング

その他
04 /03 2017
 マーサーの「2017年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐ 都市ランキング」 によると、生活水準の高い都市の1位はオーストリアの首都ウィーンでした。ウィーンはカフェ文化や美術館などが充実していますが、賃貸や公共交通機関などの料金がリーズナブルなところが評価されています。ウィーン以外でもランキングの上位はヨーロッパの都市が多いです。
 このランキングは、マーサーからの情報というところが興味深いところです。マーサーは世界最大級のコンサルティング会社で、日本でも海外赴任者の給与の設定などに使う生計費指数は、マーサーのデータが多く使われているようです。データ購入価格は結構高いのですが、日本からの海外赴任者が現地で生活する想定でのデータになっているため、信頼度は高そうです。コンサルティング会社を使わず、無料で生計費のデータを入手する方法として国連職員赴任地別生計費指数もありますが、これは普通に現地の人が生活する想定となっているため、海外赴任に適用するという点では若干フィットしないこともあるようです。
 なお、ロンドン・パリ・東京・ニューヨークなどの都市は、いずれも30位にも入っていません。日本では、東京 (47位)、神戸 (50位)、横浜 (51位)、大阪(60位)、と今ひとつの順位ですが、アジアの中ではこれでも上位です。今後、アジアのランキングが上がることを願っています。

永井知子 / Tomoko Nagai

 特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。青山学院大学大学院 法学研究科修士課程(ビジネスロー)修了。外国人技能実習適正化事業 適正化指導専門家。
 2004年社会保険労務士試験に合格。アウトソーシング会社で10年以上、主に外資系企業の社会・労働保険手続、給与計算、労務管理などを担当。会社員として勤務しながら、雑誌の記事執筆、書籍の出版、セミナー講師などを数多く経験しているが、そのほとんどは会社経由での依頼ではなく、指名での依頼。
 外資系企業・外国人経営者・従業員向けの英語対応、英文雇用契約書・英文就業規則、労務コンサル、人事・評価制度作成、海外赴任規程作成、給料計算、上場を目指す企業の労務監査、確定拠出年金制度の導入サポートなど幅広い業務に対応。
趣味・特技はタロット占い。出張先にもタロットカード持って行きます。