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退職時の有給休暇の買い取り

海外人事
03 /16 2017
 日本では、原則として未使用の有給休暇を会社が買い上げすることは認められていません。有給休暇はきちんと使って身体を休めていただくことが目的なため、買い上げを制度化してしまうと、ワークライフバランスに反しているとみなされます。時効により有給が消滅する時や、退職等で有給を消化しきれなかった時などは例外的に有給休暇の買い上げが許されますが、労働基準法で定められているわけではないですし、就業規則等に「退職時に有給休暇を買取る」などの条文を入れてしまうのは、有給休暇の買い上げを制度化しているとみなされ、労基法の解釈に反していることになります。
 しかし海外では考え方が違うようで、退職時の有給休暇の買い取りを法で定めている国があります。例えば中国では、従業員の退職時に、会社は未消化の有給休暇を賃金報酬として支払わなければならない、とされています。しかも買い上げ率がとんでもなく高く、通常の賃金の300%だそうです。ベトナムでも、従業員の退職時に、会社は未使用の有給休暇を精算する義務がある、と法で定められています。こちらは300%までは行かないようですが。
 これは国民性の違いから来ているのでしょうか。日本人は有給休暇を取得せずに働く傾向があるから、買い上げを原則禁止する方向に持っていく必要があるけど、海外は必ずしもそうではなく、むしろ金銭補償の方が必要とされるということでしょうか。
 その他でも、日本の労働法と海外の労働法では、似ているところもあれば、大きく違っているところもあり、大変興味深いところです。
 
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永井知子 / Tomoko Nagai

 特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。青山学院大学大学院 法学研究科修士課程(ビジネスロー)修了。外国人技能実習適正化事業 適正化指導専門家。
 2004年社会保険労務士試験に合格。アウトソーシング会社で10年以上、主に外資系企業の社会・労働保険手続、給与計算、労務管理などを担当。会社員として勤務しながら、雑誌の記事執筆、書籍の出版、セミナー講師などを数多く経験しているが、そのほとんどは会社経由での依頼ではなく、指名での依頼。
 外資系企業・外国人経営者・従業員向けの英語対応、英文雇用契約書・英文就業規則、労務コンサル、人事・評価制度作成、海外赴任規程作成、給料計算、上場を目指す企業の労務監査、確定拠出年金制度の導入サポートなど幅広い業務に対応。