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五捨六入 雇用保険料・社会保険料の端数処理

給与・賞与計算
04 /12 2017
 マニアックな話かもしれません。給与から控除する雇用保険料の従業員負担額は、総支給額(労働保険の対象外は除く)の3/1,000(平成29年)となっており、計算の結果、1円未満の端数が生じることがあります。従業員負担額を源泉控除する場合、負担額の端数が、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げとなります。 四捨五入ではなく、五捨六入なのが面白いです。

(例1) 総支給額243,088円で、被保険者負担率が3/1,000のとき
243,088円×3/1,000=729円264銭 →端数は50銭以下なので切り捨て
(例2) 総支給額243,950円で、被保険者負担率が3/1,000のとき
243,950円×3/1,000=731円85銭 →端数は50銭1厘以上なので切り上げ
 
ただし、これらの端数処理の取扱いは、労使の間で慣習的な取扱い等の特約がある場合にはこの限りではありません。実際に従業員負担額の計算で、1円未満の端数は一律に切捨てとしている企業も多くあります。社会保険に関しても同様に、従業員負担額の1円未満の端数は五捨六入が多いですが、企業の慣習により1円未満の端数は切捨てとしているところも多くあります。

この点について老舗の給与ソフトではよく承知していて、保険料の端数処理について、切捨てor五捨六入(または四捨五入)のいずれかを選択するようになっています。
そこで最近流行のクラウド型ソフトではどうなのだろう…と調べてみたところ、一部のソフトで「被保険者負担額を源泉控除する場合、50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げます。端数処理の計算に迷わないよう、間違えないよう、法令準拠の端数処理方法を自動計算に織り込んでいます。」とありました。つまりデフォルトで五捨六入になっていて、変更できないようです。

まあ確かに設定部分が多すぎると、ユーザにとってわかりづらいし間違いのもとという考え方もよくわかります。ただし、私のようにいろいろな給与計算の例を見てきた立場から言うと、やっぱりそこは企業の実態に合わせて設定できるようにしてほしいのが本音です。とはいえ設定項目が多すぎると、難しくて使いづらいソフトになってしまうのだろうし。私のようなタイプの方が全体から見たら少数派でしょうし、自分の意見が正しいと主張する気はないのですが、少し前に書いた所得税の計算方法などと同様、今後の動向が気になるところです。


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永井知子 / Tomoko Nagai

 特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。青山学院大学大学院 法学研究科修士課程(ビジネスロー)修了。外国人技能実習適正化事業 適正化指導専門家。
 2004年社会保険労務士試験に合格。アウトソーシング会社で10年以上、主に外資系企業の社会・労働保険手続、給与計算、労務管理などを担当。会社員として勤務しながら、雑誌の記事執筆、書籍の出版、セミナー講師などを数多く経験しているが、そのほとんどは会社経由での依頼ではなく、指名での依頼。
 外資系企業・外国人経営者・従業員向けの英語対応、英文雇用契約書・英文就業規則、労務コンサル、人事・評価制度作成、海外赴任規程作成、給料計算、上場を目指す企業の労務監査、確定拠出年金制度の導入サポートなど幅広い業務に対応。
趣味・特技はタロット占い。出張先にもタロットカード持って行きます。